仁科乙女

 Prunus eucerasus Nishina Otome

花粉の電子顕微鏡写真 

提供 理化学研究所

2009年04月13日

花 普通の花で普通に咲く

2009年05月27日 

総状花になっている。

2007年11月26日

この時期は多雌髄にならない。

2009年04月13日

左・仁科乙女 右・山形13系敬翁桜

2008年03月06日

めしべが3−4本になっている。

 お買い上げありがとうございます。

 仁科乙女は理化学研究所にて光速の50%の速さで炭素原子核を山形13系敬翁桜の枝に照射し、人為的に突然変異を作り出したものです。

 この研究プロジェクトでは有害金属を吸収収集するコケの開発や、海水で栽培できる米など様々の有益な作物の開発を行っています。

 さて、炭素の原子核がものすごいエネルギー(赤く燃えて・・)DNAにぶつかりますと、いくつかのDNAの塩基を壊してしまいます。すると、生物として持っていたいくつかの働きをしなくなる・・・それは何かを見つけ出すと、どんな遺伝機能があったかが分かってくるわけです。

 今回、仁科乙女はいくつかの機能を壊され、過去の古い遺伝子での機能によって補われたと考えますと、いくつか原始的桜の形が見えてきます。仁科乙女に現れた現象からそれを列挙してみましょう。

 

雌しべがたくさんある。 

 さくらはオランダ木苺のようにたくさんの果実・種子を付ける形から、サクランボの一個の果実・種子の形に進化してきたようです。

春も夏も秋も冬も気候がいいなら花が咲く

 日本のさくらは春に花を咲かせ、夏までには果実・種子を完成させるように進化したようです。現に、チベットや雲南では桜は秋にもさいています。

花柄が木化する。

 さくらは昔木に花を付けていたと思われますが、花に病気がつく危険があるため花の柄を伸ばし、腐ったり、うまく熟したらポロリと落ちるように進化したようです。

 花を際限なく付ける。

  仁科乙女や千里孔雀の成熟枝に見られるように種を力の限りつける形から、抑制して母体を保全するように進化して行ったようです。

 休眠しなくなる。

  そしてある一定期間寒さに当たらないと花も咲かない、芽も伸びないという、お休み時間が取り除かれました。もともと暖地で進化したものなので、休眠が後付ということは周知でした。これが栽培の際には重大な注意点になりますので良くお読みください。

 

  このほか、さくらの寒さに強くなる、葉っぱが一つの節に1枚というのもあとから進化して獲得したことが他の桜(仁科蔵王)の研究から分かってきました。実は桜も遠くチベットからモンスーンに乗って日本に来るまでにかなりの時間をかけて進化の旅をしてきたんですね。そして春に一気に美しく咲く。世界でもっとも日本らしい花は日本が旅の終わりだったのです。

 苗の御説明と栽培の注意点

 

 耐寒性は失っていませんマイナス25度くらいまでは樹幹凍結による破裂はしない

ようです。低温に当たると落葉し強制的休眠に入ります。芽や根の再活動は20℃15

日くらいで開始し、促成の花は即日進むようです。今回の販売用増殖で失敗してしまい

ましたが、新梢が緑のままで氷点下の低温に当たると枯れて萎れます。また温度だけか

ければ暗くても生育してくるので、冬の日照のないときに伸ばしてもやし状に白い梢、

白い葉にすると病気に弱く腐ったり、暑くなってから萎れたりするので、冬、温室で育

てるときは十分光を確保してください。夏はいたって丈夫ですが、冬の間の成長管理が

当地山形では日照も少なく、春は晩霜、まして雪で苦労します。

 

 今回は挿し木の穂木が確保できず、接木になっていますので、お手数ですが、今年秋

ごろ接ぎ木テープをカッターなどで切るか、解いてください。台木は山形1系敬翁桜に

なっていますので、そのまま継ぎ目まで土をかけていただき、根元から出てきた芽は切

りすててください。

 敬翁桜に接ぐと四季咲きになりませんが、5−6メートル程度よく育ちますので、四

季咲きにしたい方は、本原木が大きくなったら、15センチ程度の枝を取り鹿沼に仁科

乙女の枝を挿し木して屋内においてください。とりあえず品種登録関係の縛りもありま

すので挿し木はご自身のご利用にお留めください。

挿木して自根になると1−1.5メートル程度の小木になります。庭で5メートル以

上に大きくしたい方は別途巨木になる台木をお譲りいたします。5メートル以上にしたい方は木が弱いので台風に当たらないところでお育てください。

 

 塩害には弱いと思われます。敬翁桜系統すべてが海の近くの潮風の地帯では育ちがわ

るいかよく枯れます。

 耐暑性については43度までは耐えますがこれ以上では葉が茶色く焼けます。

 用土は酸性土壌PH6.5−4.5程度が適しているようです。

 サボテンではないので乾燥土壌はいけません。土壌は水浸しにならず、根が呼吸でき、

いつも湿っていること。これが日本の土壌条件です。

 

 なお、湿地公園や池沼のほとり等での根腐れしない桜については別途お問い合わせく

ださい。

 仁科乙女のサイト

  http://www.prunus.net/nishina%20otome/Nishina%20otome.htm

 

 

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2010年5月1日 文責  石井重久

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